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パート①から随分とあいだが空いてしまいました。
前回は、患者さんの話の中に、患者さんの悩みやニーズを知る大きなヒントがあるというお話をしました。
でも「そんな話を製薬会社のわれわれが聞いても、自分達じゃ解決できないよ」という疑問はごもっともだと思います。
わたしたちは、ある製薬企業の依頼で患者さんやそのご家族が医薬品を使っているときに感じている課題を、ソーシャルリスニング(Patient Reader®)で分析した経験があります。そのとき、継続的に薬を使用する患者さんの行動や認識について、いろいろな意外な発見をしました。
多くの一般的な患者さんは、自分自身で当たり前に毎日薬を飲むことができます。でも、認知症状を持つ患者さんの場合は、その状況がかなり違いました。
そうした患者さんの場合、ご家族がいなければ薬を飲むことはできず、ご家族が常に患者さんの服薬介助をしていました。
でも、認知症状によりご家族のその支援を理解できない患者さん本人は「毒を飲ませるのか!」と暴言を吐いて暴れ廻ったり、味が苦いと薬を吐き出したり、といった事がたくさんの家庭で日常的に起きていました。これは幼児の場合でも同じようなことが起きていました。
ご想像の通り、患者さんやご家族の悩みやニーズが明確になると、製薬企業として採れる手立てはあります。
たとえば苦味を抑えた薬の開発や口腔内崩壊錠の開発など製剤変更が一つあり得ます。あるいは投与経路を変更して経口ではなく貼付や点鼻にするなどです。
あるいは、マーケティング的な解決ならば子供さんがクスリを嫌がらない様に、キャラクターとのタイアップ・マーケティング・キャンペーンを張る、といったチャレンジも面白いかも知れません。
この様に、患者さんの話の中に見つけた悩みやニーズは、製薬会社と無縁ではありません。
もしろ、製薬会社の存在いぎが患者さんの健康をまもることなのであれば、患者さんの声を聞か図してどうやって社会的な価値を果たすのか、むしろ分からなくなってなってしまいます。
いま、製薬産業における価値が変わろうとしています。
例えば診療報酬一つをとっても、いままでは治療行為自体に対する点数だったものが、これからは治療した患者さんがキチンと日常生活を送ることができているか、職場復帰した患者さんが高い生産性を発揮して組織や社会に貢献ができているかといったアウトカムが評価される方向に向かっています。
こうしたアウトカムの評価要素に、患者さんの治療満足度やQOL向上の度合いが含まれます。
そうした観点でも、患者さんの課題に立ち向かい、それを解決することで患者さんの満足度を上げてゆくことが製薬会社として、ますます意識をしなければならない使命になっているのです。
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