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聞く力と自己認識力

このところ、聞く力が注目されています。

ここに、アメリカのジャーナリスト、ケイト・マーフィーによる「LISTEN」というビジネス書のヒットにあります。

聞くことの難しさや素晴らしさをタップリと教えてくれるこの本は、「いかに自分都合にヒトの話しに耳を傾け」「自分の主張ばかりを押し付けようとしていたか」を気付かせてくれる書でもあります。

コミュニケーションの要素には「語る行為そのもの」の言語コミュニケーションと「声やトーン」「身振り手振り」など非言語コミュニケーションがあり、非言語コミュニケーションが言語以上のインパクトがある、という『メラビアンの法則』は有名です。

その話はこの本にも出てきますが、他にもいろいろなトピックスが数々のデータと共に紹介されています。

例えば、リモートが多くなったいま考えさせられるひとつが「コミュニケーション手法の選択」。

2行で紹介すると「離れたところにいる誰かの話を聞かなければならない場合、テキストメッセージやメールよりも電話のほうが良い」「なぜならば、メールテキストなどの文字で相手に伝わるのは意味全体のたった7%にしかならないから」。

本を手に巻頭の目次を眺めているだけで、面白そうな題目が並びます。

・ 聞くことが人生を面白くし、自分自身も面白い人間にする

・ 聞く事で他人の才能も共有できる

・ 解決をしたいなら、相手の意見を聞くしかない

・聞き上手は人を惹きつける

さらには

・ 聞くことは自分自身への理解を深めてくれる

・ 優れた聞き手になるには自分の要素を理解する

 

聞く力と自己認識力には、深い相互関係がある

この本は「聞く力」と「自己認識力」の深い相互関係を再認識させてくれたのですが、『自己認識』については「優秀なリーダーほど自己認識力に優れる」など多くの研究結果が発表され、少し前から『セルフアウェアネス』と共にビジネスシーンのバズワードになっていることに、お気付きの方も多いと思います。

わたしたちが展開しているトレーニングのひとつで”自己認識力”を上げるプログラムへのリクエストが増加傾向にあることと、この本のベストセラー化と重ね合わせて感じることは「デジタルテクノロジーによるコミュニケーションの増加により多くの組織でコミュニケーション・イシューが顕在化し始めているのではないか」ということです。

実は、世の中に正確に自己認識をできる人はほとんどいない、と言われています。

その理由は『ヒトは誰しも否応無しに、自分の価値観や信念など生まれ育った環境や今までの経験によって培われたフィルターによって、世界を見ているから』です。

 

ひとの話をキチンと聞き、自己認識するために

より正しい自己認識のためには「物事に触れた時や見た時に自分がどんなフィルターを通しているのか、つまり、相手や物事に対して自分がとりがちな考え方や接し方」を知ることが重要になります。

ヒトの話をキチンと聞くためには、自分のフィルター、つまり相手や物事に対する考えや行動のクセを知り、できるだけそのフィルターを通さずに対話をすること。

そして、相手が発信した情報の中に、自分のフィルターによってこぼれ落ちた情報がなかったか何度も相手の発言を反芻し、あるいは対話の相手や第三者に確認することが必要なのです。

自分以外の誰かと上手にコミュニケーションをとるためには、相手が自分とは違う物事に対する考え方や価値観を持っていることに、注意を払うことがとても大切です。

 

自分と違う物事への反応をするタイプなら

例えば、他部門から業務進行に関してクレームめいた話があったとき、とにかく時間を置かずにそのクレーム元へすっ飛んでゆく責任者もいれば、先ずは徹底的に状況分析して解決策を提案することから始める責任者もいるでしょう。

どちらも責任者の行動として良し悪しを判別しきれませんが、「すっ飛んでゆくタイプ」は何事も行動優先が信条で、「徹底的な情報収集で自分なりの解決策検討から始めるタイプ」は戦略優先が信条、ということもできます。

仮にあなた自身がこの話を発信したクレーム元の責任者で、この両者、つまり行動優先の責任者や戦略優先の責任者とは異なる行動を好むとしたら・・・どうでしょう。

あなたが「先ずは電話で柔らかくお詫びを告げてくれて、どんな解決策があるのか担当者を含めた相互の話し合いでスタートしたい」と思っていたら、この行動優先タイプと戦略優先タイプのいずれの行動も、あなたに不安や違和感を抱かせる要因でしかなく、対話を拒否するキッカケになってしまうかも知れません。

当たり前の話ですが、コミュニケーションは相手があって成り立ちます。

 

自分のクセを知り、次に相手のクセも推察する

自分のクセを知り自己認識をすると同時に、相手のクセを知り、それを許容することもとても大事です。

コミュニケーションの非言語要素が重要と言うセオリーをご紹介しましたが、言っていること以上に、声の大きさやトーン、身振り手振りからポーズや服装といった様々な要素で、相手のクセを『推測』することは可能です。

こうした様々発信されている要素を上手に嗅ぎ取り、対話する相手のクセを推察できるようになることは難しいですが、日々の積み重ねで可能になると言われています。

相手のクセを推察できる様になると、今度は相手のクセに合わせて自分なりに効果的なコミュニケーションを工夫することができる様になり、この頃には聞く力もコミュニケーション力も格段にアップしているはずです。

 

聞く力や自己認識力を高めるには、継続的な努力が大事

ただ、ダイエットやコーチングをはじめとして何事も同様ですが、一気に高い成長を望むことはできません。

何事も継続が苦手なわたしが偉そうな事を言えた筋ではないのですが、毎日少しずつ、たとえ1%ずつでも継続することで実を結ぶと言われています。

こんな事を言うのも変かも知れませんが、聞く力や自己認識力、あるいはマーケティングも同じで、いつか自分なりに工夫の仕方が見えて来た瞬間があったとしても「その学びに終わりはない」と感じています。

 

聞く力にもマーケティングにも、二項対立的な正解はない

言い換えると、それらはどこまで追い求めても、デジタルな数式で得られる「白か黒か」や「プラスかマイナスか」の二項対立的な答えを得られるものではなく、常に変化する不思議なカタチに輝く「答えらしきもの」が朧げに見えて来る程度なのだと思います。でも逆に、自分なりに極める努力をしたヒトでないとその不思議なカタチも見えないに違いない、のでしょう。

なぜなら、それらは究極的に、自分も相手もそしてマーケットも含め、すべてはヒトを相手にしているから、です。

 

 

もし、みなさんの組織が「聞く力を高めたい」「自己認識力を高めたい」といったご希望をお持ちであれば、ぜひ一度、わたしたちのプログラムについて、お聞きになってください。

もしかすると、気に入っていただけるかも知れません。

info@trnsg.co.jp

 

 

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