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書を捨てよ、町に出よう 〜 青山学院の箱根駅伝総合優勝に感じたこと

あけましておめでとうございます。

 

2022年がみなさまにとって良い年でありますように、と祈ってやみません。

今年もわたしたちトランサージュを、何卒よろしくお願いいたします。

 

さて、表題の『書を捨てて、町へ出よう』というタイトル。

ご存知の方も多くないのかもしれませんが、これは劇作家、寺山修司の著作名です。

 

『平均化された生活なんてくそ食らえ。本も捨て、町に飛び出そう。』

 

そんな内容の本なのですが、ただ、ここでこの本を論じようというわけではありません。

(そもそも、この本や寺山修司に詳しいわけでもありません・・・)

 

 

話は、今年の箱根駅伝で総合優勝を収めた青山学院。

 

青学の強さの秘訣を聞いて思い浮かんだ言葉がこの本のタイトルでした。

そこでは、青学の原監督の言葉がいくつか紹介されていました。

『スマイル、スマイル、笑顔でゴールしよう』

『青山メソッドで見える化』

など、成る程と思う言葉がいくつもありました。

 

“書を捨てよ、町に出よう”が頭に浮かんだのは、

『いつも選手を見ている』

という話しでした。

 

原監督は、何十人も居る選手一人ひとりを常に観察して、

どんな性格なのか、今日どんな体調なのか

明日箱根駅伝があるならどの区間に向いているのか、

ということを毎日考えているそうです。

 

もちろん、それまでのレースで収めた成績も重要ですが

個人が最大限の力を発揮して結果としてチームの勝利を得るためには

『コーチが日々変化する選手の心身の状態をつぶさに観察する』

という行為がとても重要だ、という事を教えてくれています。

 

話しが飛び過ぎなのかも知れませんが

経営もマーケティングも実は同じだと思っています。

JALを再生した稲盛さんがトップとして着任して最初に行ったことの一つは

現場の仕事を見て回ることだった、というのは有名な話しです。

 

では、マーケターに置き換えて考えるなら

「何をすべき」で「そのために何ができる」のか

 

何をすべきか・・・

これは「市場を見る」「顧客を見る」ということだと思います。

市場や顧客のニーズを感じること、発生している課題を確認することは

マーケティングの一丁目一番地です。

市場や顧客のニーズや課題は一定ではなく、

いわばナマモノとして、常に揺れ動いています。

だからその揺れ動くニーズや課題を感じ取るために、

常に市場や顧客を観察することが重要になります。

 

そのために何ができるのか・・・

RWDなどの統計データや活動実績データなどを注視すること、

これはもちろん重要です。

でも、これらの「デジタル化」され「構造化」されたデータだけが

捉えられる市場や顧客情報ではありません。

 

市場を構成する医師や患者、コ・メディカルは、記号ではなくヒトです。

生身のヒトが考えていること、経験から感じたこと、悩んでいること、

そうした意見に耳を傾けることこそ、

とても重要な市場や顧客の情報です。

 

“そんな意見を聞いているほど、暇じゃないよ”

という向きもあるかも知れません。

でも、これらの「非構造で抽象的、主観的な意見」こそ、

揺れ動く市場や顧客のニーズや課題発見にとても役立つと考えています。

 

 

では「市場の意見やフィードバックをどうやって耳に入れたら良いのか」

例えば市場調査も一つの良い方法ですが、他にも方法はあります。

 

MRやメディカルは常に顧客と接点を持っています。

つまり彼/彼女らからフィードバックを得ることは、

マーケターにとって最も効率的・効果的な方法と言えます。

 

そのために、マーケターである自分自身が

臨床現場をMRと一緒に訪問することもできます。

(プロダクトマネージャーだった頃を振り返ると、

時間の25%を現場同行に使え、と言われていました)

 

リモートが一般的になって、不躾でもなくなったいまなら、

何時間も掛けて現地に赴く必要もなく、

ZOOM会議に同席して顧客の意見を聞くことも容易です。

 

『今、市場は何を求め、顧客はどんな不自由さを感じているのか』

揺れ動くそうした事実を常にウォッチするという

マーケティングの一丁目一番地が

原監督が走者順を考えるために、選手を常に観察しているという行為に

一致していると考えることは、飛躍し過ぎでしょうか。

 

原監督は青学の強さについてさらに語っています。

『メソッド通りに取り組んで行けば伸びるのですが

自ら考え行動し、課題に向き合って前に進む姿勢

そういうものが出来上がっているのかな

と感じています』

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