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患者さんの声を聞くことが、ペイシェントジャーニーの始まり

ペイシェントジャーニーとは

 

「ペイシェントジャーニー」と聞いて

「なにそれ?」と首を傾げるマーケターは少ないかも知れません。

それだけペイシェントジャーニーは、

医薬品マーケティングにおいてとても一般的なツールになっています。

 

ペイシェントジャーニーは、

患者さんの発症から治療完了までを旅路に見立てて、どういう旅路を経ているのか、

その旅路のプロセスでの体験に対し、患者さんがどう行動しどう感じているのか

を把握するためのツールです。

 

企業ごとに、書き込む要素や旅路のプロセスの区切り方、利用の目的などに違いがあり、

ペイシェントジャーニーはないが、

医師視点のカスタマージャーニー、バイイングプロセスを作っている

という方々もいらっしゃるでしょう。

 

 

患者さんの話を聞くことこそ、患者志向の第一歩

 

ペイシェントセントリックを実現するための第一歩として何が重要か、

という質問に対して、どうお答えになりますか?

 

ペイシェントセントリシティーを考える国際フォーラムの一つ、オーロラプロジェクトに

そのヒントを見ることができ、

実践の第一歩は「患者さんの話を聞くこと」と記されています。

 

今年1月のマンスリーミクス誌上に、

国内メーカーのビジネスユニットヘッドの方の談話がありましたが、

そこでも同様の話をされていました。

 

 

医薬品マーケティングのゴール

 

世の中で、マーケティングのゴールはさまざま定義されています。

おそらく最も引用されているのは、フィリップ・コトラー先生の定義ですが

わたしは早稲田大学教授の入山先生の定義が

もっともシンプルでわかりやすい、と気に入っています。

入山先生は、マーケティングは「顧客の課題を解決すること」だと定義します。

 

この定義にしたがって考えると

”医薬品マーケティングのゴール”は、顧客=医師や患者さんの課題を解決すること

になります。

 

 

患者さんの課題の把握

 

マーケティングのゴールが課題解決ならば

わたしたちが最初に行うべきことは「顧客の課題は何かを」知ることです。

 

顧客の一方である「医師」の課題については

確かにさまざまな機会やチャネルを利用して深掘りしています。

でももう一方の「患者さんの課題は」と聞かれると自信がないことがありませんか?

 

つまり、医薬品マーケティングが達成すべきゴールに戻って考えると

クスリの最終消費者で、大切な顧客のひとりである患者さんの課題を把握しないままに

良い解決策=戦略の構築は成立し得ないという結論は必然と言えます。

 

 

患者さんの声は製品戦略構築の最大のヒント

 

オーロラプロジェクトの指摘にある通り、

患者さんの課題を確認するために、

患者さんのナマの声を聞くことはとても効果的かつ合理的なプロセスです。

 

患者さんの話し=患者さんが病いを通して体験する物語り(Story)の中には

患者さんにとっての「ありのまま」の悩みやニーズが隠れています。

 

話の中からは、たくさんの患者さんの悩みやニーズ=課題を掴み取ることができます。

そして、掴み取った複数の課題のなかで、自分の担当製品が「どの課題」を解決できるのか

を考察することこそ、戦略構築に重要なプロセスです。

 

患者さんが感じている特定の課題を解決できる、自分の製品だけの特長を

バリュープロポジションと呼び、ポジショニングやキーメッセージに繋がります。

 

 

ペイシェントジャーニーはフレームワーク

 

患者さんの話し、物語りから、悩みやニーズを掴み取るためには、

インサビューやアンケートなどのアスキング調査や、

ソーシャルメディア上の投稿によるリスニング調査などさまざまな方法があります。

 

そうした調査結果をジャーニーフェーズごとに

どんなことを、いつ、何をきっかけに、患者さんが体験したのか、

などをまとめ上げたチャートが「ペイシェントジャーニー」で

患者さんの課題把握のためのフレームワークに他なりません。

 

したがって言えることは

ペイシェントジャーニーは描きあげて終わりなのではなく

描きあげたジャーニーからどんな課題が、どんな時に、どの位のレベルで存在しているのか

を把握することに意味があるということです。

 

そして、実は患者さんの課題把握のときに重要なことは

ペイシェントジャーニーの描画のプロセスにおいて

患者さんの声を通じて、患者さんの経験を疑似体験すること

そしてその辛さや苦しさに「共感」することにあると感じています。

 

※ ペイシェントジャーニーについて2月9日にセミナーを開催します。

ご関心のある方は、ぜひご参加ください。

https://trnsg.co.jp/seminar_related/20220209/

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