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これからの製薬マーケティングや医療で一番重要なことは、患者さんへ寄り添い満足度を上げることなのだ
いま、2月に開催したマーケティングセミナーのレビューレポートを編集しています。
なるべく早くみなさんにお届けしたいと思いつつも、なかなか骨の折れる作業でもう少し時間が掛かりそうです。
そんな作業過程で講師のみなさんのお話やパネルディスカッションの発言を振り返っていると、これからの製薬マーケティングや医療で一番重要なことは患者さんへ寄り添い満足度を上げることなのだ、という事に改めて気付かされます。
流れの幹としては2つありそうです。
一つは、政府が医療の最終的なユーザーである患者の利便性にシフトし始めていること。
それは例えばコロナ禍に置いて急速に進展し始めているオンライン診療や薬剤の在配などの動向に現れています。
もう一つは、医療の評価軸がこれまでのEBMにおける有用性や延命率などの科学的統計指標から、相対的に主観的な評価軸であるQOLなどの患者アウトカムへのシフトがあります。
こうしたシフトは、製薬企業の開発領域の興味がスペシャリティへとシフトしたこととも足並みが揃い、ますますグローバルな傾向となって進んでいます。
ここ数年の多くの製薬企業によるペイシェントセントリシティへのシフトの波も、こうした背景を考え合わせると、とても自然に思えます。
どうやって患者さんへ寄り添うか
ひとつ言えることは、ガイドラインや文献などの学術論文を読んでいるだけでは患者さんに寄り添うことはできない、という事です。
患者さんの満足度を追求するためのファーストステップである「寄り添い」は、多くのケースでは『患者さんの話に真摯に耳を傾ける』ことから始まります。
ハーバード大学医学部教授でニューヨークのベス・イスラエル病院主任でもあるジェローム・グループマン博士は、
その著書「医者は現場でどう考えるか」で、患者の語る物語の医療上の重要性について語っています。
『患者の物語を改めて聴くと、忘れていた重要な情報を思い出し、あるいは最初は重要でないと思って聞き流していた情報に何らかの手がかりを見出すかもしれない。
それが、今までとは違う方向に答えを求めるきっかけを医師に与えるのだ。』
とはいえ、わたしたちの誰もが医師のように患者さんの話を直接聞けるわけではありません。
他にないかと探すと意外にも方法は様々あります。
手っ取り早い方法としては、患者さんの書いた闘病記などの書籍やネット上の書き込みがあります。
ネットには今は本当に多くの書き込みがあり、参考になります。
あるいは、患者会や患者インタビューなどの機会があれば、患者さんの話を直接聞くこともできるでしょう。
わたしたちトランサージュが頻繁に使う方法は「ペイシェントリーダー®」です。
これはソーシャルメディアに無数にある患者さんやご家族による投稿を、テクノロジーを利用して集めて読むことです。
いまソーシャルメディアには、本当に数限りない投稿が人力ではとても集めきれないほどに発信されています。
これらをテクノロジーというパートナーを武器に、特定の病気の患者さんの投稿だけを集める新しいメソッドで、一般的にはSNS分析とか、ソーシャルリスニングと呼ばれます。
そうした患者さんの声にじっくりと耳を傾けるうちに、患者さんの心身の痛みや辛さ、治療の合間の小さな喜びなどの様々な想いに感情移入し、あるいは患者さんの経験を疑似体験することが出来るようになります。
こうした経験が、患者さんの想いへ共感や、本当のペインポイントつまり患者さんにとって一番の悩みを感じ取ることへ、つながります。
長くなってしまったので、この先はパート②でお話しすることとします。
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