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スクラムをうまく使うためには、マインドセットの変化も必要だ

講演する機会に、時おり引用する言葉があります。

 

『身体を通していろいろなことを感じ、異なる主観を持ち、ぶつけ合い、共感し、価値を創造してゆく。

自分自身と他者と真剣勝負で知的コンバットをする場をいかにもつかが問われている。』

 

「知的創造企業」を著した野中郁次郎さんがHBR (2021 March) に書かれていた言葉です。

 

いま、戦略志向やロジカルシンキングでは答えを出すことが出来ないことが増えている、と言われています。

そんななか、様々な新しい概念が出現しています。

スクラム、アジャイル、リーン、デザインシンキング・・・

 

わたしが感じているのは、これらの考え方の相似性です。

 

その一つが、ゴールに至るための明確なプロセス設計図が最初は描かれないこと。

「えっ、そんな見切り発車でゴール達成できるの?」

従来のロジカルな思考ではそう思えてしまいます

 

でも、そこは別の要素が見事にカバーしてくれます。

・ゴール目標が共有されていて、チーム員が自発的に行動する

・失敗が許容され「振り返り」によって良い結果に繋げるシステムを持っている

・明確なヒエラルキーがなく、互いがリスペクトし合っている

 

わたしは、スクラムやデザインシンキングは、

法令法規のように体系的に直截的に整理整頓されたクールなシステムではなく、

とてもヒューマンで、良い意味での雑多さ(多様性)が容認されていて、

だからこそ柔軟であらゆる課題に迅速に適応でき、

モチベーションやチャレンジ精神に溢れた人たちがそれを好むんだ、

と考えています。

 

つまり「スクラムが流行りだから」という理由だけで、

ヒエラルキーや売上目標達成だけでガチガチの、

頑なで保守的な組織がこれを取り入れたとしても、

必ずしもテスラやグーグルのような成長組織にはならないでしょう。

 

どちらが先なのかは分かりませんが、

スクラムを上手く機能させるためには、一緒に風土を変えることも大事だと思います。

 

それは例えば、

✔️ ゴールを売上だけで評価しない

✔️ ヒエラルキーにこだわらない

✔️  他人の失敗を許す

✔️ 価値観の異なる他人にも尊敬を払う

✔️  人の成長を喜ぶ

✔️  自己認識に努め、他人とのコミュニケーションを工夫する

といった「マインドセット」の変革です。

 

野中先生の指摘している知的コンバット(*)とは、

これを数多くスクラムして行くことで、

ようやく他とは一味違った、新しい、そして興奮できるイノベーションを

作り上げることができるのだ、

と、仰っているような気がしています。

 

 

(*)ここには、おそらく、戦場での闘いのようなシリアスな意見交換だけではなく、

ノミニケーションでの何気ない、でも意外に本音での真剣な会話も含まれると思います。

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